涌島 修司

チップマウンタの最適化ソフトウェアに関わる

 
 

産業装置開発(ソフト担当)

2007年度入社

私は産業装置(チップマウンタ)の開発部で、マウンタ群を制御するシステムソフトウェア「IS」の開発及び保守を行っています。機械メーカーにおけるソフトウェア技術者の仕事といえば、一般的には組み込みが中心と思われるかもしれません。しかし、チップマウンタを活用する上でのデータ作成業務、生産フロアの情報の確認、あるいはトレーサビリティ機能など、生産を支援するためのシステム商品も必要とされています。

通常、マウンタは生産に合わせて何台も連結させて使用します。私が主に担当しているのは、この連結されたマウンタ群の稼働率を高めるための最適化機能です。

 

マウンタは、部品を「取り」「運び」「載せる」といった一連のサイクルを繰り返して電子基板を完成させていきます。この繰り返しの組み合わせを決めるのが最適化です。目標は、組み合わせのなかで最も短時間となるパターンを求めることです。マウンタ群の性能を引き出すも引き出さないも、最適化の性能次第というわけです。

しかし、これはかなり難しい命題です。電子基板の多くは数百以上の搭載点と数十点以上の部品を持ち、生産を行うマウンタの組み合わせも様々です。これに加え、最適化のルールはお客様が行いたい生産の形に合わせて変更することができ、組み合わせは膨大です。生産に支障が出ないよう、解の探索速度も現実的なレベルでなくてはなりません。

 

このように、数学における最適化問題の一種で、完全な解を求めることができないわけですが、逆に言えば限界が見えることはないわけで、ポテンシャルを秘めている面白さがあります。

 

最近は人工知能の将棋がかなり強くなりました。それは開発した人による恣意的な状況判断(ソフトウェア的には評価関数)ではなく、全探索とプロの棋譜を学習することによる状況判断能力の向上にありました。

私の手がけている最適化機能は、将棋や囲碁よりも組み合わせがはるかに多く、全検索という方法は今後も難しいでしょう。メーカーにおいては、理学的なアプローチよりも、工学的なアプローチ、つまり開発コストに見合った現実的な対応も求められます。

 

この機能において、今までJUKIが築き上げてきた最適化のシステムは高い能力があり、現在も競争力を上げるために少しずつ改善を行っています。

 

後輩に求めるのは若いエネルギー!

 

仕事の始まり方は、社内で決定された新しいマウンタへの対応のほか、保守面からの仕事も多いのが特徴です。

お客様は購入されたマウンタ自体を「改造してください」ということはまずありません。けれども、ソフトに対しては要望を出されます。主に運用面で使いやすくするための機能追加などです。一方、お客様に売り込む営業や営業技術の方からは、他社との競争に勝つための最適化の改善について要望を出されることが多いです。

 

このように、やるべきことが尽きないため、仕事に飽きません。仕事が多いことについて、学生の皆さんはネガティブに捉えるかもしれません。しかし、長く仕事と関わっていくことになる以上、飽きないことは大切なことです。また、やることが顧客全体の利益につながってくるという意識と、達成することが自身に良い形で返ってくるという自負を持てることも、仕事をする上での刺激になっています。

 

入社してまだ日が浅く仕事に慣れないうちは、先輩からいろいろ教わりながら指示されたことを実直にしっかりこなすことに集中すればいいと思います。けれども、仕事をしていく中で自分の考え、意見というものを意識するといいのではないでしょうか。そしてそれを周囲に発信するエネルギーが欲しいですね。勤続年数が長くなると余計なことを考えたり気を回し過ぎたりして、かえって言うのを遠慮してしまうことがあります。

 

新入社員にも先ず求めたいのは、臆することなく発言する勇気、そしてそれを周りに納得させられる信頼を作るべく努力することですね。

近所にあった「ミシンを作っている会社」が就職先に

 

現在の本社は多摩センターにありますが、以前は自宅から比較的近い場所にJUKIがありました。名前は知っていましたが、ミシンなどを作っている会社ということは知りませんでした。

 

就職活動の際に私が重視したのは、まず大学時代に培った知識と技術を生かせることで、後は会社の業務内容などで絞り込んでいきました。

JUKIを選んだのは世界シェアトップの工業用ミシンはアジアを中心として新興国に軸足を置いており、今後も伸張が見込めることと、衣食住の衣類に関わっていて必須の分野であるという安定感、という両面があったことが大きな理由でした。

最後の決め手は、面接を受けての印象です。面接は三回ありましたが、自身の技術力が必要とされているという印象が強かったのです。

 

配属は産業装置開発部になりました。最適化は研究的な内容ですが、他にも、データベース、通信、XMLなどの技術も理解している必要があり、仕事のスピードや分量の多さもあります。思った以上の難しさでしたが、自身の技術力が必要とされているという実感を持つことができ、いい環境に身をおくことができていると思っています。 

 

 

 

 

 

(2013年12月) 

 

 

 

 JUKIの仕事

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